特徴 feature

当院は日本専門医機構麻酔科専門医を取得するプログラムの基幹施設となっていますので、専攻医として専門医を目指すことはもちろんですが、その上で麻酔科専門医取得後のキャリアパスを視野に入れ、下記のようなサブスペシャリティの研修も行うことができます。

  • ペインクリニック

    我々は人生での経験を通じて、痛みがどのようなものであるかを学習します。長らく、医療従事者は痛みを専門的に学ぶ機会がありませんでした。そのため、自らの痛み体験や治療経験に基づき、患者の痛みに対処してきました。急性痛はそれで上手くいくことが多いでしょう。しかし、慢性痛は急性痛同様に扱うと、良くするどころか却って悪化させてしまう場合があります。なぜなら、痛みには感覚的側面だけでなく、情動的側面、認知的側面があり、長引けば長引くほど、それらが複雑に関わり合い、難治化してしまうからです。
    そこで、当科ではペインクリニック専門医が中心となり、集学的痛みセンター(https://www.itami-kumamoto.net/)を開設し、診療にあたるだけでなく、慢性痛診療システムの構築や人材養成に努めています。毎週、理学療法士、公認心理師や看護師とともにカンファレンスを行い、痛みを多面的に評価、診断し、患者各々に適した治療(痛み教育、薬物療法、神経ブロック療法、脊髄刺激療法、認知行動療法など)を行っています。

  • 集中治療

    麻酔科医はふだんから特定の臓器に偏らずバランス良く横断的に診ることに慣れていると思います。バイタルサインの変調に対しての危機管理意識も高く、緊急度と重症度などを感覚的に判断することに長けていると思います。そのセンスを一時でも集中治療で生かしてみませんか?気道、呼吸、循環、脳神経管理に関わる麻酔中のライフサポートスキルズを直ちに集中治療で応用することが可能です。麻酔中のバイタルサインは短いスパンでダイナミックに動きますが、集中治療ではより長いスパンで変化していきます。時には診方をズームアウトしてみませんか?例えば、尿量、炎症など患者の術後の臨床はどう変化していくのかなど、診方は広がりますよ!一方で集中治療では臨床麻酔ではあまり関わらない栄養、炎症、臓器不全管理も要求されます。これらをも習得ことで他科医師とのコミュニケーションも広がり、チーム医療に貢献できること請け合いです。そしてそれは必ずや臨床麻酔にフィードバックされるでしょうし、後輩の指導においてもきっと役立ちます!

  • 緩和ケア

    麻酔だけでなく、緩和医療も一緒に学びたいという研修医・医師に朗報です。当緩和ケアセンターでは、少しでいいから緩和医療を学んでみたいという研修医や医師(麻酔科はもちろん、他専門診療科も歓迎)に、その人にあった個別プログラム(週半日から可)を一緒に考え、2021年度から専門的研修を実施中です。(参考:https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/palliativecare/shared/news/files/kanwakea_iinbosyu.pdf)。興味のある方は、お気軽にご相談ください(メルアド:atsuyoshi@kuh.kumamoto-u.ac.jp)。
    また、「緩和ケアってどこで受けられるのですか?」など、もっと詳しく知りたい一般の方々は、当緩和ケアセンターのホームページを是非、ご覧ください(https://www2.kuh.kumamoto-u.ac.jp/palliativecare/)。