歴史 history

熊本大学医学部麻酔科学教室は1965年に森岡亨教授により開設され、すでに50年を超える歴史の中で発展してきました。当科は臨床・研究面で卓越した伝統とパワーを持って運営されています。

沿革

  1. 1957年

    熊本大学医学部外科系の麻酔担当医師が集まり、熊本麻酔懇話会が設立されました。

  2. 1965年6月

    熊本大学医学部麻酔学講座が初代 森岡 亨教授のもと発足しました。
    森岡先生は体外式心肺補助療法の草分けで常に世界をリードされ、基礎研究から臨床応用まで多くの業績を残しました。

    森岡 亨先生
  3. 1994年12月

    寺崎 秀則先生が二代目教授に就任されました。
    開講以来多くの入局者を得て、1972年以降外科系ローテータ制度を廃止し、40年近く麻酔科医のみで運営してきました(但し新臨床研修制度のあおりを受け2005年8月より外科系ローテータの再開を余儀なくされました)。
    寺崎先生は森岡先生とともに体外式心肺補助療法の基礎研究と臨床応用を世界に発信され、肺と心臓を休めることの意義を説かれました。
    熊本大学麻酔科は、現在のCOVID-19感染症の治療として再度注目されているECMOの先進的研究を行ってきました。

    寺崎 秀則先生
  4. 2006年10月

    山本 達郎先生が千葉大学より三代目教授に就任されました。
    バイタリティ溢れる指導で、自ら先頭に立って臨床麻酔、ペインクリニックに携わりつつも、教室のアクティビティを高めるべく教育、研究に意欲的に活動されてきました。特に痛みの基礎研究の分野では、6名の大学院生に学位取得の指導を行われました。また臨床研究においても多くの学位取得者の指導を行われました。
    臨床面では、就任当初は外科系ローテータを余儀なくされましたが、2008年4月からは再び麻酔科医のみで運用しています。就任当初の2006年度の手術症例5472例、麻酔管理症例3909例から2021年度には手術症例7600例、麻酔管理症例5735例へ増加しました。
    在任15年を超える教授職の多くの時間を手術部長・集中治療部長・ME機器センター長・副病院長として中央診療部門の発展に貢献されました。

    山本 達郎先生
  5. 2022年4月

    平田 直之先生が札幌医科大学より四代目教授に就任されました。
    熊本大学卒業であり、母校へ帰って来られました。豊富な知識・経験と温厚な指導で医局員の統率をされています。

    平田 直之先生

2022年8月現在、熊本県内18病院に麻酔科医の派遣を維持し、医局員110名(熊本麻酔専門医会員は現在195名)で熊本県内の多くの麻酔管理を行っています。これまでの50年を超える歴史の中で優秀な同門の先輩方を多く輩出しており、我々の誇りでもあります(下地恒毅:元新潟大学教授、東英穂:元久留米大学教授、勝屋弘忠:元名古屋市立大学教授、加納龍彦:元久留米大学教授兼病院長、熊谷憲夫:元聖マリアンナ医科大教授、本田武司:元福岡歯科大学教授、岡元和文:前信州大学教授、須加原一博:前琉球大学教授兼病院長、久木田一朗:前琉球大学教授、清水博:前山形大学教授、牛島一男:前久留米大学教授、田上正:前東京医科大学臨床教授、吉武淳:熊本大学病院緩和ケアセンター特任教授、杉田道子:熊本大学病院産科麻酔学寄附講座特任教授、順不同)。