Journal Club Oct/17/2023 【5HT3拮抗薬に関するトピックス】
5HT3拮抗薬は, PONV予防および治療薬として広く使用されています。術後や集中治療室入室中の重症患者を対象とした最近の臨床研究において, 制吐作用だけではなく, 予後の改善効果との関連が報告されています。セロトニン(5HT)は神経伝達物質として中枢神経作用を有する他に、末梢では血小板に内蔵されており、虚血再灌流などの生体ストレスが生じた際には血小板からセロトニンが放出され炎症反応を惹起させることが知られています。5HT3拮抗薬による重症患者の予後改善効果には、この血小板由来のセロトニンが関与していると考えられますが、詳細な機序についてはよくわかっていません。